「高価=環境負荷が高い」のか

なんか腑に落ちない。

 そこに落とし穴がある。薪を燃やして海水を煮詰めることで作られるその塩は高価であるだけでなく、非常に安価なイオン交換膜法で作られたJTの塩より、明らかに環境負荷が高い、ということだ。

経営者倶楽部:桜の開花と技術者問題

何をもって「環境負荷」と言ってるんだろう。薪を燃やしたらもくもく煙がでて空気が汚れるとか?
そもそも「イオン交換膜法」って何なのか不勉強で知らなかったので、ぐぐってみました。
たばこと塩の博物館:世界の塩・日本の塩 > 日本の塩:採かんの発達:イオン交換膜法
なるほど、電気を使うわけだ。確かに空気は汚れなくて済みそう。
でもじゃあ、「薪を作るための環境負荷」と「イオン交換膜を製造するための環境負荷」を比べたら?あるいは、「塩を作るための燃料としての薪」と「イオン交換膜法によって塩を作るだけの電力を発電するための燃料」を比べたら?

イオン交換膜法では、これまでのような広大な塩田が不要で、天候にも左右されず、経済的に能率よく優れた品質の塩が生産できます。

http://www.jti.co.jp/Culture/museum/sio/japan/ion.html

って記述を読むと、イオン交換膜法が安価なのは、環境とは関係なく、塩田の用地代がかからないから、というのが一番の理由のような気がするんですがね。

石油で動く船が世界中の海を右往左往して捕獲した鰹を使い、それを加工し、やっとできた鰹節をふんだんに使い、そこに含まれるグルタミン酸ソーダなどのうまみ成分を煮出し、そのガラは捨ててしまう。だから、化学的手法で作られた味の素より格段に高い。そして環境負荷も格段に高いはずだ。

経営者倶楽部:桜の開花と技術者問題

だから、具体的な根拠を出さずに「はず」はやめれって。化学的手法ってなんなのよ。
http://www.ajinomoto.co.jp/amino/aminosan/ippan/seihou.html??ams=ippanSeihou
味の素のサイトから。味の素の主原料はサトウキビ。国内のサトウキビ生産だけで賄えるとは思えないので、おそらく海外からの輸入。その運搬に使われるのだって、石油で動く輸送機関*1なんでは。
そもそも、コスト削減で一番削りやすいのって、「人件費」なんじゃないでしょうか。人件費を削るだけなら、何も「人手が削減できる画期的な新技術」がなくたって、安い労働力が豊富にあって産業廃棄物の規制がない海外へ、生産工程をもってっちゃうだけですむでしょう。そうやって作られた安い商品が、「環境負荷が低い」とは到底思えないんですけどね。
もちろん私だってそんなに知識があるわけじゃないんで、上にあげたのはあくまで付け焼刃の知識と想像からなる仮定にすぎないんだけど、少なくとも信憑性においては経営者倶楽部の元記事とどっこいどっこいと思いますよん。

*1:船か飛行機かはわかりませんが