検索時のブログフィルタの是非

Yahoo! Japan検索でブログを除外するフィルターを設定できるという記事をあちこちでみかけました。個人的には、ブログはウェブの一部、ブログだからという理由でフィルタの対象にするのは反対です。そんなのよくないんじゃないかと思います。

Yahoo! Japan の検索にブログフィルター [dh memoranda]

うーん、しかし実際、ブログがじゃまなので検索結果からはずしたいって声は聞くしなー、と思いかけ、はて、どこで聞いたんだっけ、と少し考え直して、ようやく思い出した。こにさんがつぶやいてたんだった。
http://d.hatena.ne.jp/konichan/20070210/1171075496
現実にこういうニーズがある以上、ブログフィルタを採用するか否かは、サーチエンジンの運営母体の裁量ひとつでしかないわけで。

がっかりした理由ですが、検索結果が役にたたなかったらがっかりしたんだと思いませんか? メディアでは取り上げられないようなちょっとニッチな情報、詳しい情報、生の声を聞くために、個人のホームページや掲示板、ブログを調べている人も大勢います。正確さに欠けるかもしれませんが、それでも貴重な情報だと思います。

Yahoo! Japan の検索にブログフィルター [dh memoranda]

ブログの神様に対して反論というのも畏れ多いけど、読む人にとって貴重かどうかというのは、やっぱりその読む人本人が決めることであって、ブログは生の意見だから貴重だ!除外するな!というのは送り手側の傲慢でしかない気がします。一度上げたブログの記事は誰にでも読まれ、無断でリンク・トラックバックされることを受け入れなければならないのと同じように、誰からも読まれず、リンクもトラックバックもされない可能性も受け入れなければならないんだと思うのです。
まあ、今後Y! Japanでブログフィルタがデフォルトonになったら、それは「ブログ以外のページ専門の検索エンジン」と思っておけばいいんじゃないでしょうか。ブログ専門検索にブログ以外のページがヒットしなくても怒る人はいないでしょう。ブログの記事が貴重ならば、市場原理に従って「Yahooはブログがヒットしないから使えない」ってことになっていくんではないかと。Yahooだけが検索サイトではないし。

検索クエリー

しかし、ブログかブログでないか、そんなルールで特定のウェブサイトを排除するのではなく、良質の検索結果を出力するために、検索クエリーに対して相応しい内容かどうかでスコアリングするのがよいと思います。

Yahoo! Japan の検索にブログフィルター [dh memoranda]

純粋に「検索して結果を得る」という行動を考えたとき、「検索クエリー」ってWebのこっち側とあっち側に分かれるように思います。あっち側は、検索エンジンのロジックの世界で、ページランクにのっとってブログが有利だったり、フィルタでブログがはじかれたりしてると。で、こっち側は、利用者が最適な結果を得るために、キーワードを選んだり検索オプションを駆使したりする部分。で、たとえばブログが上位に来やすい検索サイトと上位に来にくい検索サイトがあった場合に、目的に応じてどっちのサイトを使うか、というあたりも「こっち側の検索クエリー」に含まれるわけです。
かつては「検索の達人」なんて言葉が使われるほど、検索に関するTIPSは一部のマニアックな人のものでしかなかったけれど、これだけ検索という行為が日常化した今となっては、検索TIPS=「こちら側の検索クエリーに関する知識」ももっと広く知れ渡るべきなのかもしれない。OracleSQLがチューニング次第でパフォーマンスに大きな差が出るように、「検索クエリーのチューニング」も、必要とする情報を得るまでのパフォーマンスに大きな差をもたらすわけですから。