はてブのコメントはなぜ暴力的になりやすいか、そして暴力的と受け取られやすいか

えーと今さらですけどすいません。はてブに関しては論点多すぎてなかなかまとまらなくて。これも考えたことの一端です。
よく50文字という短さをその原因に挙げる人がいるけど、短いこと自体は暴力的になることとは実はあまり関係ないような気がします。*1むしろ「手軽さ」のほうが影響は大きいんではないかと。
ブックマークレットからワンクリックで登録するのはすごく便利で手軽。URLやその他の情報を記録し、後から検索するためのコストを非常に下げてくれるわけだけれど、同時に「リンク先の記事を深く読み込んで理解するためのコスト」「リンク先の記事について思考し、言葉を選び、コメント文をつくりあげるためのコスト」も同時にキャンセルされてしまっている気がします。以上、「暴力的になりやすい」理由の一つ。
そして「暴力的と受け取られやすい」ことの理由。コメントにコストをかけないというのは、ツールの手軽さゆえについ、ということのほかに、「コメント文がリンク先の記事の書き手に直接届くことを目的としていない(ホッテントリ化したりして相手の目に触れるのはOKだけど)」という面もあります。別に伝わらなくてもいいんだから、そんなに手をかけていられっかよ、という。
ただ、コミュニケーションとはそもそも「自分に向けられた意思」を基盤として行われるわけで、「自分に直接向けられていない言葉」の蓄積を目にして、そこから無理に「自分に向けられた意思」を読み取ろうとするときに、それが「悪意」「暴力」として翻訳されてしまう。*2それが「暴力的と受け取られやすい」メカニズムだと思います。当然、その辺を考慮することもブックマーカー側に課せられる「コスト」の一つになります。
結果として「暴力的になりやすい」ものが「暴力的と受け取られやすい」構造になっているわけで、うーん、根は深いなぁ。

*1:「長文になって申し訳ない、短く書く時間がなかったもので」という手紙を送ったのは誰でしたっけ。

*2:コメントが必ずしも自分に直接向けられた言葉でないこと、直接向けられていない言葉が必ずしも暴力ではないことを認識している人が、ある意味「リテラシが高い」ことになるのかなぁ。